介護士の品格

私はこの仕事を誇りに思います

窓の外に見えるはとの巣

二週間ほど前からハトが小枝を銜えては飛び去り、また舞い戻ってきては銜えて飛び去りの行動を何回も繰り返していた。どこへ小枝を運んでいるのだろうと注意してみると、なんと書斎の窓のすぐそばの楓の枝の交わったところに巣を作っていたのだった。二羽は毎日何度もせっせせっせと枝を運び巣作りに励んでいた。  

その巣作りが一週間前に終わった。二日後からは巣から動かなくなった。たぶん卵をいくつか生んで抱卵に入ったのだと思う。毎日メスとオスが交代しながら卵を温め続けている。雨の日も風の日も決して卵から離れない。すでに一週間たったから、あと一週間以内にはかわいいベビーが誕生するに違いないと思う。  

十年位前も同じことがあった。場所は槙の木の高いところだった。最初は気が付かなかったが、途中から抱卵していることが分かった。あの時は大変だった。かなり強い台風がこの地方にやってきた。強風と大雨でハトの巣が何とかならないだろうかと心配したが、台風が通り過ぎて確認するとハトは抱卵を続けていた。あの強い風をどのように凌いだのであろうかと思う。   

今年は天気も安定していて心配ない。比較的太陽がよく当たるから、暑いのではないかと心配する。毎日、四六時中ハトの様子は確認できる。時々きょろきょろはするが、体を動かすこともなくじっと抱卵を続けている。ハトの本能とはいえ抱卵の作業は大変だと思う。人間だとあの姿勢で、交代はするものの抱卵を続けるのは大変なことだと思う。腰が痛くなった、足が痛くなったなどいろいろと障害が出てくるに違いない。ハトはよく頑張ると思う。  

ヒナが誕生するのが楽しみだ。もうすぐだろう。今度は親がヒナに餌を運ぶ姿が見えるだろう。想像では二羽か三羽誕生するのではないかと思う。窓からハトの様子が丸見えだ。今はどうかなと覗くと、尾羽を上にあげている。何をしているのだろうか。卵からヒナが生まれたのだろうか。今しばらくハトが私の心を和ませてくれる。平和のシンボルのハト、これからも私の住まいの木に巣を作りに飛んできてほしいと思う。家庭に幸せをもたらしてくれるように思うからだ。